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『どうしたらいいのかずっと考え
て…迷って…
けど、決めたの!
いつかは壊れてしまうかもしれな
い新しいリズムより、永遠に壊れ
ることのないリズムを大切にして
いこう!って…
子供の頃からず~っと回りつづけ
ているリズムを守っていこって!
今日、すっごくうれしかった!
だから、私もそのキモチに答える
ね!
矢野あづさ!
明日からまたミチルの追っかけに
戻ります!』
そのときボクは、綺麗なだけでは
ない、大人になったあづさを見て
いた。
たとえいまは無理に笑っているの
かもしれないけど、ボクたち三人
で“リズム”を守りつづけること
で、また笑顔をとりもどしてくれ
るだろう。
『バーカ…あづさのバーカ…
オマエ、そう言えば昔っから金魚
すくいが下手くそだったよな?』
『はぁ? いつの話してるわけ?
いまは金魚のほうから私に寄って
くるわよ!』
『じゃあ、勝負するか!』
『私が勝ったらリンゴ飴おごりな
さい!』
『いいぜ!
じゃあオレが勝ったら?』
『ん~そうね…
リンゴ飴おごらせてあげる!』
『アハハ! なんだそれ!』
ボクたちは、あの頃の二人に戻っ
ていた。
なんかすごく楽しかった。
ユウイチもいればよかった。
結局、金魚すくいはあづさが負け
た。
約束通り、リンゴ飴をおごらせて
いただき、合計6匹の金魚をぶら
さげて、あづさは帰っていった。
8月の盆踊りには、必ず三人で来
ようと約束して…。
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