佐々木愛二郎

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ある日。 うちは女中の仕事も終わってしまい、何もする事がなくなってしまった。 「あ、そうだ。道場見に行こ」 ついでに手ぬぐいも持って行く事にし、結構な人数分を持って、うちは道場に向かった。 道場に行ってみると、そこでは新入隊士達が、沖田さんと比較的腕の立つ隊士数名と共に、打ち合いをしていた。 沖田さんと腕の立つ隊士が横一列に並び、新入隊士がその各隊士の前に一列に並ぶ。 そして、沖田さん又はその隊士に打ち合って貰っていた。 わぁ……流石……。 凄い迫力…。 しかしよく見ると、沖田さんの所だけ、誰一人並んでいなかった。 沖田さんって、荒稽古で有名だからなぁ…。 うちに気付いたのか、沖田さんがこっちにやって来た。 「祐ー美さん!」 「沖田さん…暇そうですね…」 「まあね。ふぁあぁぁ…」 沖田さんは、呑気に欠伸をした。
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