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「祐美は何色が好きなん?」
「うーん、色々好きなんだけど…よく着るのは青系かなぁ」
「着てた浴衣も、浅葱色やったもんな」
「うん。あれ、結構お気に入り」
「ほな…思い切って、こんなんはどや?」
お恋が、ある着物を指した。
「…可愛い…」
「せやろ?」
「けど…合うかな…?大人っぽそう…」
「何言うてんの?祐美が今着てんのも似た様なもんや。
何なら着てみる?」
「大丈夫なの!?」
「うん。おっちゃーん!」
お恋は、お店の人に声を掛けた。
「…遅いな…」
「そんなものですよ、一さん」
「お待たせしました~」
「あ、お帰りなさい」
「………」
うちとお恋が選び、買って着て来たのは、藍色の着物。
大き過ぎもせず小さ過ぎもしない朝顔が、桃色や水色、紫色で描かれている。
帯は、山吹色。
「…あ、合わないですか…?」
「…いや…そんな事はない…」
斎藤さんはそっぽを向いて、沖田さんはニコニコと言った。
「心配しなくても大丈夫ですよ。
物凄く似合ってます」
「ほら、大丈夫やろ?
祐美は後ろ向きに考え過ぎなんや!」
うちはお恋に思いっきり背中を叩かれた。
「うん。ありがと//」
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