対面

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「芹沢局長。高橋です」 「入れ」 「失礼します」 部屋の真ん中に、芹沢さんは、胡座をかいて座っていた。 芹沢さんに指を差され、うちは芹沢さんの正面に座った。 土方さんたちの前ではああ言ったが、 いざとなると、芹沢さんの気迫に圧倒されそうになった。 「…お前…、何処から来た?」 芹沢さんは、重々しく口を開いた。 「…仙台藩です」 「山南と同郷か…。 …お前…この時代の者じゃないな…?」 !! この発言に、うちは思わず芹沢さんから目を逸らしてしまった。 心臓の音が、部屋中に響く気がした。 「………。…土方さんか、近藤さんから聞いたんですか?」 「いや。お前を見てれば解る」 「!!」 …この人の前では…、嘘はつけない…。 うちは、直感的にそう思った。 「…芹沢さんの言う通り…うちはこの時代の者ではありません…。 遠い未来から来ました」 「…やはりな…。早く着物に慣れろ」 「は…はい」 「用件はそれだけだ」 「はい。失礼しました」 うちは芹沢さんの部屋をあとにした。 ………? ????? …これだけ…?
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