2044人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、はい。部屋に戻る途中に土方さんにイタズ…起こすのを手伝おうと思い付きまして」
…………。
「…その竹刀は…?」
「此所に戻ったら、祐美さんが倒れるのが見えまして。
何かあったら、土方さんを滅多打ちにしようと」
沖田さんはニコニコしている。
……………。
「…ま…まあ、とにかく、此所で寝たら風邪ひきます。
部屋に布団敷いてありますから」
「あぁ。悪ィな…」
「おやすみなさい、祐美さん」
二人が部屋へ向かおうとした時、うちはある事を思い出した。
「あ、沖田さん!」
「何ですか?」
「さっきはありがとうございました」
「別に良いですよ。土方さんにイタズラ出来ましたし」
「何だとコラ、総司」
土方さんが沖田さんを睨んだ。
「あと沖田さん、出来れば、うちに敬語使わないで下さい。年上の人に敬語使われるとどうも…」
うちの所属していた剣道部は、上下関係に厳しい部だった。
目上の人には敬語を使うのが当たり前。
おかげで、年上の人から敬語を使われるのは慣れてない…。
「ん~じゃあ、頑張ってみます。おやすみ、祐美さん」
「早く寝ろよ?明日から早い」
「はい。二人共おやすみなさい」
最初のコメントを投稿しよう!