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「あ、沖田さん。おはようございます」
土方さんが去った後、沖田さんがやって来た。
「あ、おはよ、祐美さんにお恋さん」
「沖田さんですね?土方さんの顔に落書きしたの」
うちは笑いをこらえながら訊いた。
土方さんにあんなイタズラをするのは、後にも先にも、新撰組に一人しか居ない。
「あ、土方さんに会ったんだ?」
「はい。『助兵衛』て書くなんて…土方さんに殺されないで下さいね?」
「総ー司ー!!」
ドタドタと走って来る音がした。
土方さんの怒鳴り声が、近付いて来る。
「じゃあ、また後で」
沖田さんは、台所の裏口から出て行った。
草履まで用意してるなんて、流石、沖田さんだ。
「総司は何処だ!!」
沖田さんが出たと同時に、土方さんが入って来た。
顔は洗ったようだが、うっすら、文字が残っている。
「裏口から出て行きましたよ」
それを聞いた土方さんは、そのまま、沖田さんを追い掛けて行った。
………………。
うちとお恋は、またもや大爆笑した。
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