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お梅さんは着物屋の娘さんで、お色気満点の美女。
この前、あの有名な山形の段だら羽織を作った時、お梅さんは代金を請求しにやって来た。
そのはずが…芹沢さんに手を出された…。
お梅さんは芹沢さんの妾になり、毎日のように頓所に来ている…。
土方さんに渡すように言われた物。
芹沢さんが大阪の商人から借りた…いや…揺すったお金。
大きな働きがない以上、それでしか生活出来ない事は、うちも知ってる…。
…でも……。
正直言って、芹沢さんのせいで新撰組の評判は最悪だった。
京の人達は、陰で、新撰組の事を『壬生浪』って呼んでる…。
ついこの間も、芹沢さんは問題を起こした。
芹沢さんは、新見さんたちと、沖田さん、永倉さん、斎藤さんを連れて、大阪に飲みに行った。
その帰りに力士と小競り合いを起こし、死傷者を出したのだ。
仕方なく土方さんが奉行所に届け出し、後処理をした。
芹沢さん…。
お酒が入んなきゃ、何とかなるのに…。
剣の腕は滅法強いが、お酒が入らなければ、暴れる事はなかった。
うちは、初めて会った時の事を思い出していた。
あの時だって……。
…………。
うちは、土方さんの所に急いだ。
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