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「土方さん、祐美です」
「応。何だ?」
「芹沢さんから預かり物を。…それから、お話したい事が」
「…入れ」
「はい。失礼します」
見ると、土方さんは何かを書いていた。
「……土方さん…それ…局中法度ですね…?」
「ああ…」
一、士道に背くまじきこと
一、局を脱するを許さず
一、勝手に金策をいたすべからず
一、勝手に訴訟取り扱うべからず
一、私の闘争を許さず
右に背く者は切腹を申し付ける
…………………………。
うちは土方さんが書き終わるのを待ってから、巾着を渡した。
「…土方さん。芹沢さんから預かった物です」
「…分かった…」
土方さんは、ため息を付いて受け取った。
「………。土方さん…芹沢さんは、近々…とんでもない事件を起こします…」
「…そうか…。もうそろそろだな…」
土方さんは特に驚いた様子もなく、淡々としていた。
うちはふと、ある事を思った。
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