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「あ、祐美さん。確か、剣術をしてたって言ってたよね?」
「あ、はい…。六年ほど…」
…嫌な予感…。
「私と打ち合わない?」
やっぱりー!!
沖田さんはニコニコしている。
「遠慮します!!うち、仲間内で一番弱かったんですから!!沖田さんの足元にも及びません!!」
「未来(あっち)は未来(あっち)。今は今」
「いやいやいやいや…」
そこへ、一人の新入隊士が走って来た。
「沖田先生、お願いします!」
助かったー!
ナイスタイミング!
その新入隊士は、かなりの美青年。
身長はうちより高め。
「沖田さん、この方は?」
「この前入隊した佐々木愛二郎君。祐美さんって、十八だったよね?」
「はい」
「彼も十八なんだ」
「えー!?」
新撰組の皆は、全員うちより年上。
だから普通に、彼も年上だと思っていた。
「佐々木愛二郎です!よろしくお願いします!」
佐々木君は、元気よく言った。
「女中の高橋祐美です。
とゆーか、同い年なんだから…敬語無しで…ね、沖田さん?」
「うん。祐美さんは、敬語使われるの嫌いだから」
「そうですか…じゃあ、よろしく!」
佐々木君はニッコリと笑った。
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