佐々木愛二郎

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その後。 永倉さんと斎藤さんから聞いた話によると、佐々木君自体には何もなかったらしい。 『取越し苦労だ』と永倉さんには笑われ、斎藤さんには肩をポンと叩かれた。 一方虎の方はというと…、 やっぱり、あの噂は本当らしかった。 素直に従えば、事が小さく済んだのに、新撰組の事を知らなかった取次の人が、 『新撰組が怖くて商売が出来るか!』 なんて言ってしまったものだから、芹沢さんがその人を斬り殺してしまった。 興行の責任者が来て、無礼をわびたらしく、後に芹沢さんたちが奉行所に引き渡したそうだ。 虎の件は終わったように誰もが思っていた。 でも…うちの不安は消えなかった。
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