佐々木愛二郎

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「祐美さん、どうかした?」 沖田さんは心配そうに、うちの顔を覗き込んだ。 「…芹沢さん…芹沢さんは!?」 うちは思わず叫んだ。 「俺に何か用か」 「「「「!!」」」」 土方さんの部屋の入口に、芹沢さんが立って居た。 「何でもないですよ。それより、どうかしたんですか?」 沖田さんが、背後からうちの口を手で塞ぎ、芹沢さんに訊いた。 「佐々木愛二郎が脱走した」 「「「「!?」」」」 脳天を殴られたような衝撃が走った。 うちは力が抜け、沖田さんに寄り掛かった。 「既に追っ手を向けてある」 そう言うと、芹沢さんは行ってしまった。 「……総司…確認して来い…」 「…はい」 沖田さんと佐藤さんは、佐々木君の元に向かった。 「…祐美…知ってたんだな…?」 土方さんは指示をした後、うちの方を向いた。 「…はい…。 …うちのせいです…。 …うちがもっと早くに思い出していれば…あの時…佐々木君を止めていれば……」 涙で…言葉が続かなかった…。 「…祐美、話してくれ。佐々木の身に何が起きたんだ?」 「……先程の話の続きになるんですが……」 うちはポツリポツリと話し出した。
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