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「…残された女性は…佐々木君の後を追いました…」
いつの間にか沖田さんは戻っていて、うちの隣に座って居た。
「…総司…」
「ええ。祐美さんの言う通りでした…」
……………………。
…うちのせいだ…。
…うちがあの時、佐々木君を止めていれば…、
…佐々木君と恋人は…死ななかったはずだ…。
…………………。
「…土方君。祐美さんと席を外しても良いかい?」
いつから居たのか、山南さんが立ち上がって言った。
「…ああ…」
土方さんはうつむいたまま返事をした。
うちは山南さんと部屋を出て、山南さんの部屋に入った。
「…うちのせいです…。
うちがあの時…虎の件の時に、佐々木君が行くのを止めていれば…佐々木君と恋人は死ななかったはずです…」
涙が止まらなかった…。
運命を知ってるのに、変える事が出来なかった…。
…佐々木君…。
「…もし行くのを止めていたら、佐々木君は恋人と出会わなかっただろうね…」
「………」
「…もし私だったら、大切な人と出会わないで、お互い長生きするより、こっちの方が望ましいけど…」
うちは思わず顔をあげた。
山南さんはニッコリと笑って、うちの頭を撫でた。
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