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「な~に、黄昏てんのよ。千紘らしくない」
唐突に後ろから声がした。ついでに強く背中を叩かれる。
「ああ、亜木か」
「ああ、亜木か…、じゃないでしょ?すぐ約束忘れるんだから、もう……」
そういえばそうだった。僕は亜木と一緒に帰る予定だった。いけない、いけない。ぼう…としてた。春は人を感傷にさせるなあ。
亜木が頬を軽く膨らませて不満気な顔をして、ばしばし僕の背中を叩く。その度に亜木の長い栗色のポニーテールが揺れる。
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