通い婚

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だけど……。 世の中って、そんな単純なモンじゃないんだね。 北条時政の計画は 都の平家にたいして、佐さまを旗がしらにして兵をあげる。 って事なんだけど……。 そもそも、北条時政は、平家の分かれだし、若いころには都の平家にしたがって合戦も経験してる。 関東で生きるためには、やはり、都の平家にゴマもすらなきゃダメだったから……。 まだ、政子ネェが小さい頃に、ある約束をしてしまってたんだよね。 その約束って言うのが、 伊豆目代の山木兼隆 に、娘の政子を嫁がせるって事だったんだ。 時政は、いまになって後悔してるんだけども、まあ、軽い口約束だったから、相手の山木兼隆も覚えちゃいない……と、思い、そのままにしてあったんだ。 でも、ここにきて、佐さまが政子ネェと事実上、夫婦になってしまってる事が、山木兼隆の知るところとなったものだから、事態は複雑になってきてる。
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