伊豆の流人

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あ、それから、 つけくわえると、 北条時政は、平家の家人だから、おもてむきは、佐さまを厳しく監視しなきゃいけない立場なんだけど、都の平家の驕りっぷりが、あんまりなんで、ひそかに源氏に肩入れしようかな…なんて考えてて、政子ネェのアタックを応援してたりする。 大人って、なんか複雑なんだね。 ……てな事をかんがえてたら、奥に案内されて、 いた! 佐さまだ。 さすがに都で育ったお方は、ちがう。 流人の生活は、写経くらいしかすることがないのに、端然と文机のまえにすわり、 「ああ、鎌倉の四郎か。……」 そう声をかける様子は、なんだか、優雅ですごく余裕が感じられる。 四郎は、思わずアガッてしまい、 「……はいっ!あの、手紙……」 と、無礼にも直接、佐さまに手紙を差し出しそうになった。 (はっ) 安達くんが気がついて、 「あ、手紙ですか」 と取ってくれたから良かったけれども……本当なら、貴公子に無礼をはたらいたって事で、お仕置きものの大失敗だ!
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