動き始めた停止

5/8

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
「確かに峰岸琉太は死んだわ。ただ、それは昨日じゃない。1つ前よ」 「1つ前?」 言っている意味がわからなかった。 ってか、理解できるはずがなかった。 「あなた、小説やゲーム、それ以外でもいいわ。物語を読んだり見たりした事はない?」 「もちろん、ある。主にゲームでだけど」 「…私達はゲームのRPGで例えるなら村人、ギャルゲーで例えるなら背景にいる人物なの」 「悪いんだが、お前の説明は意味がわからない。頭が痛くなるだけだ」 おかげで頭がオーバーヒート寸前で、頭から煙が出ていないか確認したくなる。 「1から説明すると、この世界は物語の中の世界で、あそこにいる峰岸琉太はこの世界の主人公なの。そして勿論、それは物語なのだからこの世界はエンディングへとむかっている」 わけのわからない夢物語を聞いている気分だ。 普段の俺ならボケだと思ってツッコミを入れてる頃なんだが、話のコシをおるわけにはいかない。 美樹は続ける。 「さて、ここで問題。話が終わるとこの世界はどうなると思う?」 わかるはずがない。 むしろ俺が聞きたい事がありすぎて整理できていない状態だ。 俺が黙っていると美樹が答えを言った。 「世界が終わるのよ」 その言葉に事の重大差を感じとった。 「そんなのなんでわかるんだよ?」 だが、俺にもそうであってほしくないと言う思いと、信じられないと言う気持ちがあって聞いていた。 「これは何となく、と答えるしかないわね」 「そこはやけに曖昧だな」 「だって実際に見てくるわけにはいけないし、そこは経験みたいな物だから「何となく」で当てはまるでしょ?」 「まあ、言葉では例えずらいな」 「あなたにもそのうちわかるわよ」 「そのうち?何でこれから経験しますって感じになってるの!?」
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加