新しい日

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 従者フユベルトは、窓辺にて目を細めた。  銀色の毛髪を日差しに輝かせながら、彼はため息をついた。  魔界に住む魔人は、誰一人晴天を喜びはしない。  彼もそうだ。  毒々しい紫が空を覆う曇天が常であり、晴天は、ある出来事の予兆でしかない。  魔界でもっとも望まれ無い事の一つが、天界からの襲撃だ。  神はこの世界の存在そのものが、許せないらしく、度々使いを放っては、魔界を荒らす。  晴天はその予兆である場合が大半だ。  魔界の空を突き破り、天使達は死を振りまきにやってくる。  光は天使の通り道として使われ、天界から放たれている。 「魔王様に報告しなくては……」  フユベルトは自室を後に、魔王の元へ向かう。  足取りは重たい。
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