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※君の涙は愛情をこえた優しさ。
君の瞳が訴えた言葉、僕は受け止めきれなかった。
傷つけられる辛さを知っている君だから、人を傷つけてしまう行為を誰よりも悔やんだ。
それでも君は、溜めきれずに方向を定めて吐き出してしまったことで自分を責めた。
僕は見つめることしかできなかった。
もちろん正解なんてなかっただろう。
だからこそ伝えたい、僕の気持ちを。
失敗なんかじゃない。
君は弱いから人の気持ちを考えられるんだ。
それが君の強さだ。
ただ、少し下手なだけなんだ。
君は誰かを頼るからこそ、誰かにぶつかるんだ。
その分誰かから頼られて、誰かからぶつかられる。
このサイクルの中心には常に優しさがあるじゃないか、愛情があるじゃないか。
だから頼り合って、時にぶつかって議論し合い、仲直りする頃にはお互いを少しだけ理解しているんだ。
それにそんなことは説明しなくても、僕たちが小さな頃から無意識にしていたことだ。
きっと産まれた時から気づいていることなんだ、愛情の裏返しはまた愛情なんだって。
はじめからそこに境界線はなかったんだ。
どんな状況であろうと悪意が無い限り、人と人が接する空間には常に愛情があるんだって。
だから君が悔やんでいることは決して後悔なんかじゃないと思うんだ。
君には愛情をこえた優しさがあるんだよ。
そうじゃ無い限り、君の瞳から涙が流れることを説明できる理屈がない。
君がそんな風に育ったのは、君の親が君に同じだけの愛情をこえた優しさを注ぎ続けたからだと思う。
その涙は将来、胸を張って自慢できるくらいのステータスなんだよ。
だから君がもう少し成長するまで、僕も一緒に成長しよう。
君の涙の理由を全て受け止められるようになるまで。
君が好きだから、その涙も全て抱き締めよう。
それがいつか君を思った自己満足じゃなくなって、僕と君が本当に一つになれるまで。
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