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雨感。
理由は関係ないって、そんなこと前からわかってたつもりなのに、どうしても頭から離れなくて沈みだした居場所に憂鬱が拍車をかけた。
僕の気持ちがミリ単位でしか動けないのは幸いだけど、そのベクトルは確実に下を向いている。
いつも落ち着かないのは視線の先に底を映そうとしているから。
誰にも感じ取れないこの涙の色は決して正解に向かっているわけじゃなくて、いつも重力に逆らうことなく落ちていく。
そして僕は今日も空を見上げて悲しみの掌で頬を撫でた。
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