8人が本棚に入れています
本棚に追加
ケケケ
彼女はまだ気付かない…
ケケケ
それがすぐ側に来ているのに…
「?」
ゆっくりと進めていた足を止める。
目の前で人影がこっちを見ている。
流石に誰ですか?なんて通りすがりの人に聞くわけにもいかず、気にせず進もうとするが、思いとどまる。
頭上で明滅する古い電灯が人影を継ぎ接ぎに照らす。
その人影は現代に似つかわしくない奇妙な忍装束をまとい、腰には日本刀らしきものをさげていた。
「おい、あんた」
忍装束は口を開く、やたら眠そうな声で彼女を呼び止めた。
「なっなんですか?」
最初のコメントを投稿しよう!