~序章~

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「俺はちょっとコンビニよるからさ、先に行っててくれや。」 と会話を強制終了さすつつ駆け出すと、背後から「遅刻しても知らないんだからねー」とお声がかかった。 見ての通り通学中、寄り道真っ最中な俺。後ろにむかって軽く手をヒラヒラさせコンビニに入ると、昼飯にする弁当とお茶を二本買い店を出た。 ほんの数分の出来事なのだが、走って行ってしまったのだろう。つかさの姿は見当たらない。 遅刻なんて気にしない主義な俺は、特別ペースを上げることもなく散歩気分でゆっくり歩いていた。 昨日みたテレビのこと以外ほぼなにも考えずしばらく歩くと、別れる前につかさが言っていた町内の看板が気になり視線を前方に向けてみる…。 遠くからでは見えないが看板の前に白いモノがあった。ゴミだと思ったモノは近づく毎に猫のそれになり、今ではどこからどうみても猫である。 「猫…だよな、コレ」とつぶやくと、どうしてもつかさの話を確かめたくなるのだ。 有り得ない、とわかりつつも横に並び「よっ猫助、なにしてんだ?」と軽く問いかけた。 どーせ返事なんか…と思った刹那…。 「ん?何って…看板を読んでるのさ。」 とフレンドリーな猫助である。 最近の猫は嫌にフレンドリーだなぁ。なんてぼんやり思っていると、とてつもない違和感が背中をぞわぞわさせた。
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