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ち、ちょっと待てよ…?今この猫喋らなかったか?いや、しかしそんなはずは……
と堂々巡りで混乱する俺をよそに、奴はまた口を開いた。
「どうした少年、悩むと白髪が増えるぞ?おかげでわが輩は真っ白だ。」
はははは、と軽快に笑いながら目の前の猫は軽い冗談まで飛ばして来るじゃないか…。
「あぁ、俺は夢を見てるんだな…それかまたいつもの妄想癖が出たのか…。」
と一人納得しながら雨の気配を微塵もみせない爽快なまでの雲と青空を眺める。
「少年は歩きながら夢を見る事が出来るのか、興味深い。今日のような日はわが輩も散歩と日向での睡眠を両立したいものだ。ところでそこの家の…。」
俺の結論を一瞬で覆しぶち壊したこの猫は自分の感想を織り交ぜつつ俺に興味を示し、あまつさえ軽く井戸端会議まで始めようとしているではないか。
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