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「ぬぅわんだこりゃぁぁぁあ!?」
自分を起こした奴はうるさいと言わんばかりに耳を塞いでる。
鏡に写った姿はいつもの自分じゃなかった。
それは男。
ご丁寧にも上半身裸だったせいで逞しい胸板とがっちりした体も見た。
「……なかなかいい身体してんな」
「……うん……」
じゃなくて!!
「これ、俺!?って喋り方まで…」
「……お兄ちゃん…落ち着いて…深呼吸」
スー…ハー…。
スー…ハー…。
「……うん、でなにこれ?つか葵……」
「……ん…?」
「美少年だな。」
この落ち着きよう、無表情。やけに間が多い口調からして俺を起こした美少年は葵だろう。
黒髪のショートカットが更に短くなって耳にかかるかかからない程度の長さに揃った前髪が目のあたりまであって……動くたびに前髪の隙間から見えるくりんくりんの大きな目。ちょっとつり目だな。
小さな鼻に小さな唇。
肌は白く、細い肩…黒のハイネックがまた美少年さを漂わせる。
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