行商人と森

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ガルルル… それがいけなかったのだ。 一瞬の…気の緩み。 気がついた時には 奴は背後にいた。 真っ赤な目を光らせて 今にも 飛び付いて来そうな体制で。 あぁ ダメだ振り返っては 冷静にそう考えた。 じりじりと少しずつ 前に進む。 この際馬は諦めるしかない ウォォォー こだまする鳴き声 パキリ 枝の折れる音… グルル… 枝? 人がいるのか 「キャァァァァァァッ」 バタバタと足音をたてて 逃げていく。
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