赤い記憶と銀の出会い

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そう思った途端、ルーヴェを愛しさとは別の何かが襲い、ルーヴェはルチルからばっと離れた。 「ルーヴェ様…?」 「…!ルーヴェ」 心配そうな顔をするルチルにルーヴェはぎこちない笑みを浮かべ大丈夫だと告げると散歩に行くからと外へ出た。 「エディ様…ルーヴェ様は大丈夫でしょうか…?」 「ルチルちゃん…」 「あんなに真っ青なお顔をしておられましたのに外に出たりなさって…」 「…………」 エディは何かを確かめるようにルチルの顔をじっと見つめると、にこっと笑った。 「ルチルちゃん、追っかけてみなよ」 「え?で、ですが…」 「旦那様とお散歩もいいんじゃないかな?」「私に…何かできますでしょうか…」 「君ならできるよ!さ!いってらっしゃい!」 ルチルがルーヴェを追いかけて扉をくぐるのを見届けるとエディは少し悲しそうな笑みを浮かべた。 「君にしかできないんだよ…どうか、…」 祈るように瞳を閉じるとエディは椅子にもたれかかった。 「どうか俺の親友を…ルーヴェを…」 小さく小さく言葉を紡ぐ。 「愛してあげて…」 シャボン玉のように弱々しい言葉は紡がれては消えてゆく… 「心の枷を外してあげて…」 エディの想いは浮かびそして消えていくことを繰り返しこの屋敷にこだました…
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