赤い記憶と銀の出会い

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「ルチルちゃん!ルーヴェもおかえり!」 二人が屋敷に戻りリビングに戻るとエディがいつも通りの笑顔で迎えた。 それからエディは手を繋ぐ二人を見て驚き半分嬉しさ半分の笑顔になった。 「うわぁ!二人共まだ夫婦っぽさはないけど仲良しな恋人同士みたいだよ!!」 「エディ様…!!」 またも顔を真っ赤にして慌てるルチルをルーヴェはクスクスと笑いながらそっと抱き締めるとあやすように頭を撫でた。 「そう照れることはない。あやつは本心が表に出ることが多いのだ。ルチルは何も気にせず我の傍にいてくれさえすればよい…」 「ルーヴェ、様…」 「我はそれを望んでいる…我もルチルが望むのならばお前の傍にいよう」 ルーヴェが頭から手を離し顔を覗き込むと、ルチルは未だほんのり赤い頬のままやっぱり嬉しそうに笑い頷くのだった。 「あの~…、俺のけ者?」 そうぼやくエディにルチルは再び顔を赤くしルーヴェはしれっとした顔でさらりと言ってのけた。 「のけ者が嫌ならお前も花嫁をもうければよかろう」 「ルーヴェ酷いぃぃいいい!俺だってお嫁さん欲しいけど難しいんだよ~!!」 嘆くエディに言い返すルーヴェ。もはや日常茶飯事になりつつあるこのやりとりを見ているのがルチルの密かな楽しみであるということは本人しか知らないのだった。
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