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「当たりだよ。アレの仕業だ」
「兄さん、それはいいけどさっきみたいな行動はよしなよ…」
「まぁまぁ。あ、そうだ自己紹介しとくね。俺はイール。イールフォークリフト・グロリアだよ。よろしくね」
「僕はザイルアステルロ・グロリアだよ」
もう一人、後から来た青年のフードを外して月明かりにさらされた癖のある薄紅色の髪は肩より少し下くらいのところで揺れ、琥珀色の瞳は静かな色湛えていた。
「君達の名前は?」
「俺、ジョン」
「僕マルク」
「ジョン君にマルク君だね。早速でわるいんだけど、二人共危ないから今すぐに帰りなさい」
「え…」
「ど、どうして!?」
「う~ん…君達が今から入ろうとしているこの廃工場にはね、いわゆる幽霊がいるんだよ」
イールの言葉にジョンが反論する。
「そ、そんなの知ってる!だから入ろうとしたんじゃないか!!」
イールはそう言うジョンに目線を合わせにっと笑った。
ジョンはその怪しい美しさに怯み、目を泳がせた。
「いいかいジョン君。この工場にいる幽霊はただの幽霊じゃあない」
「へ…?」
「DOLL(ドール)と呼ばれているもので、ただの幽霊じゃない。俺達は仕事でここに来たのだからね」
「し、ごと…?」
イールは懐から十字架を出すと口元にあてがい微笑んだ。
「断罪者(ジャッジメント)って知ってるかい?それが俺達の職業だよ」
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