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それはほんの一瞬の出来事だった
キョウイチの目の前にはナルガクルガが一方的にやられている姿
さっきまで自分とシャルがあれほど苦戦していた相手を二人は簡単にあしらっているのだ
『せ~の!』
マリアのふりおろした狩猟笛はナルガクルガの頭へと直撃する
巨大な笛で頭を殴られたナルガクルガはたまらずに後ろへと下がった
そして空へと飛び立つ
どこか別の場所に逃げたのだろう
『フブキ姉さん、ナルガ逃げちゃったよ~』
『無視していいだろ?今回の目的は終わってるし、むやみに狩ったらギルドがうるさいからヤツは放置』
『そうだね』
二人は武器をなおし、キョウイチとシャルの元へと向かう
『二人とも大丈夫か?』
フブキがシャルに手をさしのべながら呟く
『すまない、また借りができたな』
申し訳なさそうにシャルがいうがフブキは笑いながら答えた
『借りなんて考えなくていいよ、シャルと私はかけがえのない友人だから当然だし』
『あのナルガ、次に会った時は殺す…私の大事なシャル姉さんを…』
ありったけの殺意をナルガクルガが飛んだ方向へと向ける
『俺はなにも…できなかった』
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