第1章

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――――ぐしゃ、 足元で嫌な感覚がした。 だが私は下を見ず、ずっと前を見る。 気持ち悪い。 吐き気がする。 人間の血のにおいと建物の焦げ臭いにおいが混じり合っている。 私は片手に持っていた長柄の武器を強く握りしめた。 「何が見える?」 不意に後ろから声が聞こえた。 「――…死体と血の海」 私の声は低かった。 それだけ、私の心は悲しみと怒りに満ちていた。 .
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