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「……そっちは?」
彼女に聞いてみると、私と同じ言葉が返ってきた。
背中越しに感じる彼女の温もり。
唯一そこだけが温かかった。
「それと――…新手」
私の所からも見える。
私達を取り囲む何体もの鬼が
一体一体奇声をあげている。
私は顔についた血を手で拭うと、新手に向かって走りだした。
(願わくば――…)
終わることのない戦いに、幾度目かの祈りを捧げた。
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