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途中で甲高い奇声が聞こえた気がしなくもない。
また気づいたときには三角座りした俺は後ろからお姉ちゃんに抱きしめられていた。
羽交い締めした似非女神とは大違い。
と考えながらも頭のどこかでは懐かしいで感慨ぶる俺。でもそういう思い出は見つからなかった。
少し経つとお姉ちゃんは俺に毛布をかけどこか行ってしまった。依然として頭が働かない。俺は周りを観察していた。
雰囲気は同じようでも違う。
朝日のように輝いてたカーテン、抱き枕代わりにされて寝ていた小さいベッド、一緒に勉強した茶色くて四角ちゃぶ台も━━━━
‥‥‥‥あっ
一つだけ‥‥
それは俺がお姉ちゃんに唯一教えることができたピアノだった。
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