48人が本棚に入れています
本棚に追加
私は玄関に着くと一端手袋を外してからまたカズの手を握った。
「ひゃぁ--!!」
不覚にも私は声にならない悲鳴をあげてしまった。
思わず離してしまった手を握り直し、急いで私の部屋に入れ、そしてカズを包み込んだ。これも懐かしい。昔は毎日のようにしてたかもしれない。
何となく後ろから抱きついてみたけどやっぱり反応はなし。
一年ぶりの人肌。冷たいはずのカズの体は何だか温かかった。
あれから一年間、付き合ってもこんなことをしたことはなかった。ソレほどの相手が見つからなかった。
カズは私にとって弟だからか離れるのが何だか名残惜しい。私はこんなにも人肌が恋しかったのだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!