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「カズ~ 志望校調査もらった?」
「うん。忘れんうちに書いて~」
学年末テストまでちょうど後一週間。テストの度に学校から渡されるそれを台所の机に置いた。
用紙にかかれてあるのは十つのコース。それらから一つを選択しなければならない。
「ハイハイ。判子持ってきたわよ。さっさと自分でチェックしなさい」
「OK!! すぐに書くよ~」
そう言うと、迷わず"⑨(私立選択物理)"を円で囲もうとした。……が、途中で手が動かなくなった。
何事かとそこを見てみると、どうしたものか手首をしっかりと母の五本の指に掴まれていた。
「じゃ、邪魔せんでよ母さん」
「……。」
イてぇ~ どんだけ握力あるんだよ。
って、何か俺気が触るようなことしました?
スイマセン、ボールペンが下に落ちましたよ。
何そんな赤子を殺せるような怖い顔して……
俺の顔に蜂でもついてますか?
おーい。
……。
ごめんなさい。本当にごめんなさい。
giveです。許してお母様。
「え…と」「正座」「はい……」
俺は椅子の上で正座する事になった。
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