助けて!! お姉ちゃん!!

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 ◆●◆●  腕が、腕がぁぁぁぁああーー  あの後、魔王に後ろから羽交い締めにされながら鬼に無理やり⑤(特理選択物理)を選ばされるという無茶なことをした。  ちなみに"特理選択物理"とは、物理専攻特別理系クラスの略称。実力試験と言うもので学校ランキング上位に入って初めて選択権を得ることができるクラスのこと。  俺は範囲テスト(中間&期末)より実力試験の方が得意とはいえ、入学時、二年進学時のクラス替えでは掠りもしなかった。  今年は昨年よりは良いといっても所詮自己比。おそらく、いや確実に無理であるにちがいない。  結局、あのまま家にいたらまた何をされるか分からないため急いで家を飛び出してきた。そのおかげで今の手持ちは携帯だけ。  携帯の"かざすクーポ○"すら使ったことない俺が携帯にチャージしているはずもない。本当に持ち合わせは0円。  唯一の(アイテム)、携帯が今指す時刻は午後8時。  無銭飲食出来そうな手として"友人の家に行く"というのあるのだが、時間も遅く、家族らんらんの時間を奪いかねないため却下。  借りるにも、行くこと自体がめんどくさいなって結局は却下。  と、言うことで、宛もなく俺は家の前に座り込んでいた。ここは、住宅街。だが、偶々人通りもなく白い目で見られることは今のところなかった。  時期からして虫の鳴き声もない。おかげで、俺が操作する携帯から聞こえるてくるカタカタというプッシュ音だけが響き渡っていた。  携帯のアプリなど一時間もすれば、飽きてくるわけで段々と俺は眠くなってきた。  凍死して死ぬんかな俺……  っと冗談じみた言葉が浮かび上がってくるものの、それ以上出てこない。 俺は次第にウトウトと顔が落ちそうにもなっていた。  コト、コト、コト……  幻聴? ハ○太くんじゃあるまいし助けてくれる人なんて…… 「カズ君?」  俺の元に本物の女神様が現れた。 .
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