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バイト先のファミレスから10分、いわゆる目と鼻の先に家がある。
夕食は買って帰るのは高いという理由で家にあるものを適当に使って済ますつもりの私。途中にあるスーパーとかにも寄らずまっすぐ帰っていた。
あ~あ…… こんなんだったら合コン出るだけ出て食べるだけ食べて、すぐ帰れば良かったな~
おそらく、いや確実に家には誰もいない。だから自分で夕食を作らないといけないのだ。今更後悔する私がここにいた。
地元の大学に通ってるため一人暮らししているわけではないが、お父さんは小さい頃他界しているし、お母さんはずっと帰ってきていない。実質一人暮らしと同じ。
私にはもともと兄弟なんてのもいない。だから家には誰も……
考え事をしているうちに家の目の前まで着いていた。この静かな住宅街でなければ、事故にあっていたかもしれない。それぐらい周りが見えてなかった。
誰もいないはずのこの住宅街。私の足音しか聞こえないはずの住宅街。なのに……
ポチ‥‥ ポチ‥‥
ウチと隣の家のちょうど間にある外灯の下にどこか見覚えのある顔が……
「カ‥カズ君?」
私には弟がいた。
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