:六-ロク-

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「…ヨミ、閻魔。 俺のことを忘れたのか? 二人はいつも、俺のそばにいてくれたじゃないか」 優しく、さとすように そう語りかける。 しかし、二人はお互いに顔を見合わせただけで 俺の言葉には答えなかった。 そのかわり、 ヨミは右手を何も無い 空間に伸ばし 閻魔は地面に手をついた。 二人が同時に何かをつかむような動作をすると、 ヨミの手には一瞬にして日本刀が現れ 閻魔は地面からゆっくりと巨大な鎌を取り出した。 「…!!」 俺は愕然としてその場に立ち尽くす。 ヨミは、日本刀をゆっくりと鞘から抜き 鞘を手放した。 地面に落ちた鞘は、 まるで溶けていくかの ように 泡を出しながらごぽごぽと消えていった。 「キト・アルヴェロ。 私はあなたを殺します」
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