電話

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深夜の静けさの中、エリは中々寝付けないでいた。階段を下り、暗闇のリビングを通り抜け、台所に佇む冷蔵庫にたどり着く。清涼飲料水のペットボトルを掴み取ると、そのまま口に流し込んだ。満足のいくまで喉をうるおすと、部屋へ戻ろうと階段を上っていく。部屋の扉を開けると、机の上に置かれていた携帯電話がブルブルと震えていた。 「誰よ。こんな時間に・・・・・・」 寝付けない苛立ちに、ぶつぶつと悪態を付きながら携帯を手に取る。見覚えのない番号からの着信。エリは恐る恐る、携帯を耳に当てる。 「・・・・・・もしもし?」 外では雨が降り始め、月は雲に覆い隠されていた。
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