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だが、大蛇のように荒れ狂っ
た川も、今は優しい微笑を見せ
ていた。
その川原を歩く時、私は夢中
になって歩く。大きな石がごろ
ごろしていて、次の石、次の石
へと踏んで歩かなければいけな
いから、余分に気を散らしてい
る暇がない。三十分も歩くと汗
がにじんでくる。
軟弱な私は、防寒対策を十二
分にしておかないと、表に出る
のに嫌気がさしてしまう。だか
ら、本当ならもっと歩きやすい
格好をしてくればよいのだけど
、ブルーのロングコートですっ
ぽりと体を覆っている。
なんと足首まである超ロング
だ。
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