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その後、かなり盛り上がって、あっという間に楽しい時間はすぎていく。
しかし、事件は飲み会も終わりに近付いたとき起こった。
「ミットンさんのタイプってどんな女性ですか?」
頬を桜色に染めたクニが聞いた。
…うん、酔っても可愛い。
真っ赤なミットンさんが答える。
「え~、俺?そーだなぁ。クニちゃんみたいに女の子らしい子も好みだよ。けど…」
ふいに私の方を見た。
「俺はチーボーちゃんが好みかな」
えっホンマに?
「ええええぇ…」
チーボーは色んな意味で赤い。
ちなみにアルコールはまだコップ半分しか飲んでない。
「ですよね~。チーボーもミットンさんのこと気になってるらしいですよ」
酔ってゴキゲンなクニがふわふわと言う。
「ちょちょちょっとクニ!!余計なことを言いなさんな!」
思わず昭和のドラマ口調。
ムックが隅で吹いた。
…彼はかなり飲んでいるのに素面みたいだ。
「チーボーちゃん今の話本当??」
ミットンが真剣に聞く。
「えっ…ははっはははいっ。じじ、じ、実は…」
どもりすぎだ。
「ダ~メ」
…はい?
その場がシーンとなった。
犯人はムックだった。
というかいつの間にかムックは私の後ろにいて、どうやら私は抱きつかれている。
耳元の吐息が熱くてヤバい。心臓吐く…。
「…どうしたんだね、ムック君」
ミットンさんも驚いているようだ。
口をひくひくさせて、口調もどっかの教授みたいである。
「俺の」
「は?」
「この子は渡さない、俺のもんだ」
…どうやらムックに気に入られたようだ。
というかちゃんと酔ってるなムック。
ムック以外がポカンと口をあけて固まった。
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