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「気分はどうや。少しは楽になったか」
いつものように、ミットンはクニに声をかける。
クニは微かに頷く。
「あんまり、無理せんとってや。俺には、あいつらが帰ってくるまでお前を守らなあかんていう義務がある。…それに、俺にとって、お前はもう他人やないねん。ほんまに大事な存在や。…生きるんやで。必ず、あいつらが見つかるまで。生きよういう意志を無くしたら負けや」
ミットンの言葉に、クニは握られている手を強く握りかえした。
ミットンは頭を撫でて、あとはもうゆっくり休め、とだけ言った。
クニが寝てしまってからも、ミットンはそこを離れることはない。これも、日常になっていた。
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