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チーボー
本名は金月千春。
18歳。
大学1年生。
年齢イコール彼氏いない歴。
趣味は、特にない。わりと飽きっぽい。自分ではまだ本当に熱中出来るものがないだけだと思ってる。
将来の夢も特にない。
ちなみに『チー坊』ってあだ名は彼女があんまり少年みたいだからつけられたあだ名で、本人は特に気にしていない。
クニ
沢井邦子。
同じく18歳。
チーボーとは高校からの付き合いで、親友と呼べる仲である。
二人はたまたま呼ばれたサークルの歓迎会であるバーベキューに、ついさっきまで出席していたのだ。
親が心配すると言って二人とも途中で抜けて、駅までの帰り道をのんびり歩いている。
「三浦さんでしょ」クニがいたずらっぽい笑顔でチーボーに言う。
どうやら、さっきの話題の、チーボーの恋の相手の名前であるようだ。
「わわ、そこまでわかってるのん!?
わー超能力とかやめてやあ。」
チーボーは完全に顔が赤い。
「超能力じゃないわよ。顔に全部かいてあるんだから。
あだ名までつけちゃって。…なんだっけ、『ミットンさん』?」
「そうですよーだ。
はー。あだ名つけるのは習性ってゆーか、クセやからどうしようもないねん。
そのほうが覚えやすいから。」
「たしかに、戦国武将にまであだ名つけてたもんね
…じゃなくてね、話そらさないでよ、三浦さんのこと聞きたいのに」
チーボーはコツンと砂利を一つ蹴っ飛ばした。
「ん、たぶん、あの人は彼女を大事にするタイプやよ。」
「へぇ。チーボーってあてずっぽうのように見えて人を見る目あるからねえ。
そうなのかもね。…私にはそんな人に見えなかったけど。」
「何となくやけどなあ。…でも、いっつも女の子に見えへんって振られてきたから、アタックするのんは気が引けるなあ。」
もう一度同じ石を蹴飛ばす。石は脇に反れ、草むらに飛び込んだ。
「あら、ご心配なく。」
クニがにっこりと笑う。
「友達が、あなたのこと気になってるみたいなので、また食事でもお願いできませんかって言っといたから。」
「…うそやん、ほんまに!?
わぁ、感謝しますクニ大明神様!」
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