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あの日から半月が経ち、少し肌寒くなってきた今日のこの頃。俺は食堂から教室に向かってのんびりと廊下を歩いている。
スポーツの秋だーとか言うけど、この寒さじゃ運動する気が全く起きない。
まぁ帰宅部だから運動する機会はあまり無いんだが……。
「なぁ、お前何やるか決めた?」
今話しかけてきたのは、一緒に廊下を歩いている変態でお馴染み北林 純だ。
「誰が変態だ!?」
……こいつに心読まれたの凄く久しぶりだな。
「……で、来週やる体育祭の事か?」
今言った通り、俺の高校は10月の後半と言う少し寒い時期に体育祭を行う。
「そそ、んで? 何やるか決めた?」
「いや、決めてない」
すると、純は「そうか……」と呟き、なるべく早めに決めておけよと付け足してから何処かに走っていった。
教室目の前にあるのにな。
――この時の俺は、純が言った言葉の意味を知るよしも無かった……。
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