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勝ち目が無いことなど分かっていた。勝ち目どころか同じ土俵にすら上がれないことも知っていた 一つ上の部活の先輩を好きになる以前から、先輩には彼女がいた あたしが通う学校で、マドンナと呼び声も高い里緒先輩は、あたしと同じ学年の佐藤ももちゃんが現れるまでは、その地位は不動のものだったらしい。 いくら二番手でも、その容姿と頭脳と性格と、どれを取っても勝てるところが平凡女子のあたしには無かった 弓道部部長で尚且つ、生徒会長までやってのける超人的頭脳を持つ先輩はその容姿は整い過ぎて冷たい印象を与えるほど 先輩を好きだと気付いた時、あたしは多少落ち込んだ。 まさか、自分が面食いだったとは思ってもみなかった
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