甘い彼

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そして、そのまま、腰を引かれ、弘輝に軽く抱きしめられる。 外で、お店の前で、そんなことをされると、お酒の力も手伝って、上がった体温を下げることが出来ない。 「柚莉亜、いい?」 それは、弘輝なりの最終確認なんだろう。 このまま、ピンクのネオン街に向かっていいのかと。 ご馳走してもらい、抱きしめられて、ここで断る程、失礼なことは出来ない。 断る気など、もともとないけれど……。 頷くと、すっと身体が離れ、肩を抱かれた状態で歩き始めた。 無言で歩く二人だけど、心地よくて。 旦那様のことなど、すっかり、頭から、消えていた。
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