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嘘をつくつもりも、全くなかったのに、意表をついて質問してくるから、つい。
こうやって、“つい”でも、柚莉亜に嘘をついてしまうのは、俺に下心があるからだろう。
嫁への後ろめたさが全くないわけではないが、今は、柚莉亜のことのが気になって、柚莉亜の魅力に負けた感じになっている。
咄嗟の嘘は、柚莉亜に不信感を与えたようで、顔が何か言いたそうに見えた。多分、嫁のことだろう。
それをごまかすように、一つまた嘘が増えた。
「あいつは、好き嫌いが多くて、生もの駄目なんだよ」
そんなわけない。寧ろ大好きだ。
言いながら、柚莉亜の髪を撫でるけれど、それは、確実に、テンパってる、自分の動揺を悟られないように、嘘がバレないようにする為。
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