男の都合、女の事情

飲み会

そんなの今更、出来るはずがない。

この半年、何もアクションを起こしていないのに、急にそんなことしたら、怪しまれるにきまってる。

そのうえ、私のプライドが自分から誘うなんて許さない。

別にお高くとまっている訳じゃないけれど、そういうのは、男に誘われてなんぼだって思っている。

氷がとけて、少し薄くなりはじめたターキーを一気に飲み干した。

「あたしには、無理」

グラスを見つめながら、ポツリと呟いた。

「結婚前にやり過ぎただけじゃねぇ？か、もう、征服して飽きたとか？」

そう言って、翔は、いやらしい笑いをしてくる。