一目惚れ

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仕方なく、俺は、嫁に電話をいれる。 「悪い。今日、無理矢理、結婚祝いだとか新婚旅行の話聞かせろとか先輩に誘われたから、飯いらない。ごめんな」 嫁は、俺の嘘に納得して、 「餌食にならない程度だといいネ」 なんてかわいいことを言ってくる。 「なるべく、早く帰るな」 そう言うしかほかない。 この嘘に、怪しいと気付かなくてよかったとホッとするのと同時に、最初からこんな嘘をつくことへの罪悪感が交錯する。 とりあえず、顔だけ出せばいいよな。あとは、適当に抜けさせてもらおう。 俺はそう思いながら、怠そうに、飲み会の席についた。
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