甘い彼

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私を、ちゃんと好きでいてくれているのだろうか? 最近、愛のある言葉を聞いた覚えが全くない。 唯一、新婚らしいと思うのは、いってらっしゃいのキスだけは、毎日しているという事実。 私は、これでも、幸せを感じていたけれど、もしかして、義務でしていた?そんな気にさえなってきた。 トイレの鏡に映る顔は、なんとも言えない情けない顔をしていて、これでは、弘輝も引くだろう。 自嘲的な笑いが込み上げてきた頃、弘輝のメールが届いた。 『遅くなってごめん。もう出るから、よろしく』 それを合図に、ゆっくりと裏口に足を進める。 私が、裏口に着く頃には、もう弘輝は通り過ぎているはず。
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