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「あっ、ウン、わかった」
そう言うと、クルリと背中を見せて歩きだした。
何処に向かっているのかなんて、聞かなくてもわかる。
繁華街の裏手にあるピンクのネオン街。
私は、少し距離をあけ、弘輝を見失わないように、後をつけた。
オフィス街の此処は、人込みがすごくて、簡単に見えなくなる。
背の高い弘輝だから、なんとかついていくことが出来る。
暫くそうして歩くと、携帯がなった。
離れて、別々に歩く私を気遣っての電話。
「一緒に歩けなくてゴメン」
弘輝のせいだけじゃないのに……。
オフィス近くだから、互いの会社の人に会う確率が高く、私だって、何か言われると煩いから困るのに……。
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