甘い彼

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「かわいい。俺、素直でおいしそうに食べる子、好きだよ」 耳元で囁くものだから、顔は、赤くなる一方だった。 それをごまかすのに、日本酒を慌てて飲む。 そんな行動までお見通しらしく、クスッと笑い、頭をポンとし、自分のお寿司に向き直る。 弘輝は、余裕で、大人で、動作一つとっても、綺麗で無駄がない。 それでいて、女の子を喜ばせるツボを心得ていて、私の体温は、上昇しっぱなしになってしまう。 程よい酔いと、お腹に、満足感を覚え、店を出た。 心配していたお会計もさほど高くなく、しかも、ご馳走までしてもらった。 「ごちそうさまでした」 店を出てすぐお礼を言うと、弘輝の顔は、綻ぶ。
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